１７．恐怖の高速道路料金所 HYERES(イエール)の海岸線へ

フランスの道路は幹線道路に関しては完璧に整備されています。
各都市をＡ（高速道路）とＮ（国道）が何本も結んでいて、ストレスも感じませんでした。

高速道路。

日本のそれとは大きく違うものがありました。
…それは料金の支払システムです。


これまでここに至る過程でＡ（高速）を通ったのはマルセイユに入る直前の僅かな区間だけでした。

日本ならば、インターチェンジの入り口で〝通行券〟を発行し、出口でそれまでの区間の料金を支払うシステム、または首都高のように入り口で料金を支払って出口はそのままスルーする、という基本２つの方法しかないと思います。

事前に今回の旅行を計画したときに、フランスの高速道路の研究をしていました。

まず料金所は〝【t】マーク（日本で言うETC専用）〟〝【cartes】クレジットカード専用〟〝現金を籠に投げ入れ専用〟〝オッサンがいて直接払う〟の４種類のブースが並んでいる。
それぞれにアイコン（オッサンブースには帽子を被っているオッサンのイラスト）があって、分かりやすい……と。

まず、レンタカーにはＥＴＣは付いていないので、そこ以外のブース。小銭が無いときには迷わずクレジットカード専用のブースへ向かう!!!
それでも不安ならオッサンのいるブースを探してそこに突入！　　と、頭に叩き込んでいました。

しかし、マルセイユで利用したときはお金を払うところがありませんでした。



「なんだよ。高速も無料なんじゃん……。」
そんな勝手な意識が植え付けられたのは仕方ないですよね。


で、この日、先を急ごうと〝サナリー・シュー・メール〟の先辺りで〝A50〟に乗って一気にトゥーロンを通過すべく、僕はこの旅で２度目の高速に乗ったのでした。

本線上に、東名東京料金所のように突然姿を見せた料金所。　…あせりました。

まず〝オッサン〟がいるブースを示すアイコンがないっっっ|||||/(￣ﾛ￣;)＼|||||||

「え？え？え？え？　お、オレハ何処に入れば（　　・　　_　　・　　;　　）」
当然車を手前で停車するわけには行きません。小銭は持っていなかった（札しかない場合は、このオッサンブースで支払ってお釣りをもらう）ので、これはもう〝クレジットカード〟ブースしかない!!!

僕はいちばん車が並んでいた〝クレジットカード〟専用のブースの最後尾に車を付け、財布からカードを出してその時を待ちました。

そしてその時がやって来た。

車を付け、カードを機械に差し込みました…………


…o(;-_-;)oドキドキ♪

「このカードは使用できません……　(フラ語)」


「……??」
僕は一瞬その機械のコンピュータ女に何を言われたのか分からず、もう一度同じカードを差し込んだのです。

「このカードは使用できません……　(フラ語)」


「｜｜｜｜｜／（￣ロ￣；）＼｜｜｜｜｜｜｜　～～？」

…そのカードはその朝、マルセイユのホテルでの精算にはキチンと使えたのですよ。
僕は慌ててもう一枚のカードを出して、同じようにそこから挿入しました。


「このカードは使用できません……　(フラ語)」


僕の車の後ろには次の車が………



もう、パニックですよ。
普段、あまり慌てない性格ですが、これはもう、がちパニックです。

なんせ、クレジットがだめならユーロ札で……という機転の利かないアホな機械を相手にしているのです。しかも、後ろの車がクラクションを………

…てんめぇ。


もう一度カードを差し込んで見ましたが、やはり結果は同じ。
僕は慌ててすぐ傍にあった緊急用ボタンを押したのでした。


「どうしました（フラ語）」
機械から人間のオッサンの声。

「Ma carte de crédit n'est utilisable pas!!! Pourquoi?」(カードが使えない！なんで？)
「●▲■※■◎………」（オッサンのフラ語がわからない）

「Ma carte de crédit n'est utilisable pas!!! Pourquoi?」(カードが使えない！なんで？)
「●▲■※■◎………」（オッサンのフラ語がわからない）

「ぬぁーーーー！フラ語わかんねぇ。　Monciuer,Au secours!!(オッサン助けて～！)」
「●▲■※■◎………」（オッサンのフラ語がわからない）


「おーまいごっど！ﾏｼﾞﾏｼﾞ？　Au secours!!だよ、ｵｯｻﾝ!!!」
「ｶｯﾊﾊﾊﾊﾊ(~▽~＠)♪♪♪」（オッサン、マイクの向こうで笑ってる………）

「Au secours!!　Au secours!!　Au secours!!　
ジュ・スイ・ジャポネだよ!!!!」

…人間、本当にパニックになると、何が口から飛び出してくるか分かりません（爆）「ジュ・スイ・ジャポネだよ」って。


バタン♪


オッサンはそのままゲートを開けてくれました。

僕は一瞬進んでｲｲﾉｶ分からなくなったのですが、また閉まったらイヤなので、そのまま車を発進。
そしてしばらくの間、パトカーに追跡されないかというヒヤヒヤ感に襲われながら、すぐ先にあったパーキングエリアに入り、オシッコしてタバコ吸って気持ちを落ち着かせ………。



気を取り直し、A50を進み、A50はトゥーロン市内でいきなり信号付のN8になり、そのまま直進。

やっと昼食を………

■TOULON観光局HP

HYERES（イエール）の海岸線で癒される

休憩後、HYERES(イエール)を目指してスタート!!!

このままA57を進むとニース方面。
僕はここで海岸よりのA570へと入ります。

HYERESの出口までに料金所がないことを祈りながら……



■HYERES（イエール）市公式HP









HYERESの街から海岸に進み、地中海にポッコリ突き出している〝ジアン半島〟を先っぽまで行ってみることに。

こういったことが出来るのは、レンタカーの強みです。






しかし期待したほどの景色には巡り会うことは出来ず、早々にＵターン。

ま、これもレンタカーの強みです（ﾏｹｵｼﾐ）

イエール空港・イエール港から続く直線の海岸線

カーナビを見ながら進みます。

〝LA MARINE〟という名前の真っ直ぐな海岸線の道が、イエール空港のそばからずっと伸びているじゃありませんか！

これは、通るしかないっ！













ほとんど人のいない海岸線。

ほんとに地元の人たちしか来ないような、そんな海岸。
でも、逆にそんな風景が、心にジーーーンとしみ込んできたりするものです………。ｷｻﾞ



そして直線の海岸線をひたすら進みます。

地形的に、海岸線が直線ってことですよね？

日本じゃそうそう見られませんね。


さて、今日のホテルはサン・トロペ。

まだまだ先は長いのだ……。